ヴァージン・アトランティック航空は、2月1日の東京/成田発ロンドン/ヒースロー行きVS901便をもって、日本線の運航を終了した。

既に、1月30日午後5時30分をもって日本語での案内サービスを終了。現在は、イギリス本社での英語対応のみとなる。また、日本語のホームページも閉鎖され、英語のみでの案内に切り替わる。日本支社は閉鎖される。

ヴァージン・アトランティック航空は、1988年に日本支社を開設。翌89年に東京/成田〜ロンドン/ヒースロー線に就航し、約25年以上に渡って運航を続けてきた。東京/羽田への就航が実現せず、収益性が高いビジネス需要の獲得が見込めないことなどから撤退を決めた。

これにともない、共同運航(コードシェア)を行っていた全日空(ANA)は、東京/成田〜ロンドン/ヒースロー線の運航便はなくなった。予約客は、東京/羽田〜ロンドン/ヒースロー線に振り替えを行っている。 From Tracy

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さり気なく、おかしな子が端っこに・・・

 

アジア圏への新規路線のニュースが相次ぐ中、ヴァージン・アトランティック航空が日本から撤退という悲しいお話。

ヴァージン・アトランティック航空と言えば、航空界の風雲児。世界初のエコノミークラスへの個人用テレビ、プレミアムエコノミークラス、魚の骨のように配列されたビジネスクラスの『ヘリンボーン式』座席、すべてヴァージン・アトランティック航空が導入。音楽畑から航空業界に参入したリチャード・ブランソン氏の遊び心が溢れる、”異端”な航空会社ヴァージン・アトランティックの撤退理由は、『採算が取れないから』。やはり、そこはビジネス。致し方ありません。

しかしながら、2020年の東京オリンピック向け、訪日客獲得のため、官民一体となって取り組んでいる中、有名航空会社を引き止められなかった、という現実。連日、『訪日客が伸びている』と話題になっていますが、悲しいかな、これが日本の現状なのでしょう。

京都、富士山、秋葉原、ラーメン、イチゴ狩りなど、日本各地の魅力を色々な形で発信しているようですが、今すぐに日本が最終目的地、とならなくてもいいのでは?なんて思ってみたり。

台北、香港、バンコク、シンガポール・・・。これら都市に直行でも行けるけれども、あえて「TOKYOに立ち寄りたいよね!」と思わせる空港造りからスタートし、最終的に「もっと日本を知りたい!」と乗り継ぎ客から、訪日客へ・・・。そんな力のある空港が必要、と感じてしまいます。

上のビデオはベスト空港ランキングの常連、シンガポール・チャンギ空港のオフィシャル紹介ビデオ。シンガポール観光もさることながら、この空港に降り立つこと自体にワクワクする。そんな旅行者も多いはず。

このチャンギ空港、なぜにそれほど人気かというと、無料で楽しめる施設の充実度がすごいのです。

  • Wi-fi (登録不要)
  • 映画館 (ターミナル2 & ターミナル3)
  • ゲーム (X box、Playstation)
  • マッサージチェア
  • ひまわり、サボテン、バタフライなどがテーマの庭園

屋外プールやジムも有料とはなりますが、空港内にあります。長旅のあと、次のフライトまでの間に、ちょっとした運動を楽しんだり、外の空気を感じられるのは、とてもありがたいもの。旅行者のかゆい所に手が届いている、それがチャンギ空港なのです。日本の空港も、『週末のデートスポット』空港から、『本気の旅行者向け』空港に生まれ変わる必要があるのでは?

せっかくなので、こんなものがあればうれしいな、というサービスをいくつか考えてみました。

▶発着する飛行機を見ながら、足湯

温泉には興味があるけど、お風呂となると外国人にはかなりハードルの高いものとなります。長旅の後、足はパンパン。そんな疲れを気楽に解消出来る、日本の空港ならではの施設、どうでしょう。

▶  縁日風フードコート

“Anime”が、”Cool Japan”の大きな柱となっている今日。縁日の風景も”憧れ”の一番となっているかも。

▶ 日本各地の名物が揃った巨大フードコート

空港では、その国の名物を食べたい。そんな旅行者は多いはず。レストランで立派な1品より、『気楽なフードコートで、好きなものを少しずつ』の方がうれしいかと。

▶ 空港内 Wifi完全無料。

『要インフォメーションで登録』など、まどろっこしいことはせず、潔くすべて無料に。一般旅行者の発信力を信じて。

▶ 上級会員向けイミグレーション優先レーン

短い滞在であればあるほど、入国審査等での待ち時間が気になります。国を守るために、しっかりと審査しつつも、リピーターを増やすために、時間をお金で買えるような仕組み作りを。

他にも・・・

スーパーマーケット、大型ドラッグストア、100円均一店を制限区域内に、なんていかがでしょう?

有名な航空会社が、自国から撤退。そんな事態を食い止めるために、今までにないような発想で、アッと言わせるような、斬新なアイデアが求められる気がしています。